先週土曜日に、坂田昌子さんをお招きして、
神戸・垂水にて、生物多様性のお話を聞く会を開催しました。
坂田さんは、
高尾山の保全に取り組む環境NGO「虔十の会」代表、
生物多様性10年市民ネットワーク幹事、
などをされている、すてきな方で、
そのお話は、ほんとうにわかりやすく、引き込まれ、
参加者のみなさんと共に、すばらしい時間をすごすことができました。
坂田さんの話を聞いて、はじめて実感したのが、
日本は、本当に自然が豊かな国であるということ。
坂田さんが住んでいる、東京の高尾山は、
日本の中でも、特に生物種が多いところだそうなのですが、
1500種類の植物が生息しているそうで、
これは、イギリスの国全体と同じ数になるそうです。
植物種が多いから、昆虫種も多く、鳥も豊かだそうです。
日本は、国土に占める森林の割合が、世界第2位で、
日本近海の、海の生物の多様性は、世界1位だそうです。
なぜ日本は生物種が豊かかというと、地質の影響が大きいそうです。
地層が縦になっているため、水が豊かで、
世界でもそのようなところは少ないようです。
ぼくたちは、山に入ると、土の上を歩いているようですが、
実は、水の上を歩いているようなものだと、坂田さんは言っていました。
そのように、世界でも稀な、生物種の宝庫である高尾山に、
高速道路のトンネルを掘る計画が持ち上がり、
坂田さんたちは、27年間の反対運動を続けていますが、
ついに、トンネルを掘られてしまったそうです。
山は、ぼくたちの体と同じ。
おなかに、大きな穴を開けられると、どうなるか?
ぼくたちの体が、血を吹きだすように、
山は、その穴から水を吹きだすそうです。
山の水がどんどんと穴に集まってくる。
高尾山は、特に水が豊かな場所ということで、
坂田さんたちの、懸命の訴えも利いたのか、
高尾山のトンネル工事では、海底トンネルと同じ工法がとられたそうです。
そうでもしなければ、トンネルが水浸しになり、大惨事になりかねないからです。
それでも、水はどんどん集まってきて、
トンネルの下に設けられた巨大な排水溝により、海に流されているそうです。
当然、山の水は少なくなり、
今まで、水が湧き出ていたところから、水がなくなる。
乾燥に強い、アザミのような植物が、目立つようになり、
水が必要な植物は、絶滅していく。
それに連鎖して、その植物を必要とする虫、そして、鳥と、絶滅していくそうです。
坂田さんたちは、トンネル工事以降、高尾山を注意深く見守っているそうですが、
幸いなことに、今のところ、山は持ちこたえてくれているそうです。
でも、どこまで山が持ちこたえられるか、
それは、後になってみなければ、誰にもわからないと言っていました。
神戸・垂水にて、生物多様性のお話を聞く会を開催しました。
坂田さんは、
高尾山の保全に取り組む環境NGO「虔十の会」代表、
生物多様性10年市民ネットワーク幹事、
などをされている、すてきな方で、
そのお話は、ほんとうにわかりやすく、引き込まれ、
参加者のみなさんと共に、すばらしい時間をすごすことができました。
坂田さんの話を聞いて、はじめて実感したのが、
日本は、本当に自然が豊かな国であるということ。
坂田さんが住んでいる、東京の高尾山は、
日本の中でも、特に生物種が多いところだそうなのですが、
1500種類の植物が生息しているそうで、
これは、イギリスの国全体と同じ数になるそうです。
植物種が多いから、昆虫種も多く、鳥も豊かだそうです。
日本は、国土に占める森林の割合が、世界第2位で、
日本近海の、海の生物の多様性は、世界1位だそうです。
なぜ日本は生物種が豊かかというと、地質の影響が大きいそうです。
地層が縦になっているため、水が豊かで、
世界でもそのようなところは少ないようです。
ぼくたちは、山に入ると、土の上を歩いているようですが、
実は、水の上を歩いているようなものだと、坂田さんは言っていました。
そのように、世界でも稀な、生物種の宝庫である高尾山に、
高速道路のトンネルを掘る計画が持ち上がり、
坂田さんたちは、27年間の反対運動を続けていますが、
ついに、トンネルを掘られてしまったそうです。
山は、ぼくたちの体と同じ。
おなかに、大きな穴を開けられると、どうなるか?
ぼくたちの体が、血を吹きだすように、
山は、その穴から水を吹きだすそうです。
山の水がどんどんと穴に集まってくる。
高尾山は、特に水が豊かな場所ということで、
坂田さんたちの、懸命の訴えも利いたのか、
高尾山のトンネル工事では、海底トンネルと同じ工法がとられたそうです。
そうでもしなければ、トンネルが水浸しになり、大惨事になりかねないからです。
それでも、水はどんどん集まってきて、
トンネルの下に設けられた巨大な排水溝により、海に流されているそうです。
当然、山の水は少なくなり、
今まで、水が湧き出ていたところから、水がなくなる。
乾燥に強い、アザミのような植物が、目立つようになり、
水が必要な植物は、絶滅していく。
それに連鎖して、その植物を必要とする虫、そして、鳥と、絶滅していくそうです。
坂田さんたちは、トンネル工事以降、高尾山を注意深く見守っているそうですが、
幸いなことに、今のところ、山は持ちこたえてくれているそうです。
でも、どこまで山が持ちこたえられるか、
それは、後になってみなければ、誰にもわからないと言っていました。
今、地球は、今までの時代に類を見ないほど、急激に生物種が減少しています。
年間4万種が絶滅し、
現存している生物種の約25%が絶滅の危機にあります。
東京では、ゲンゴロウが絶滅し、
神奈川では、日本メダカが絶滅し、
四国と九州では、ツキノワグマが絶滅したそうです。
これらは、連鎖のほんの始まりかもしれません。
ゲンゴロウを守るためには、
ゲンゴロウが住めるような、無農薬の田んぼがなければいけない。
生物種の多様性には、場(環境)の多様性が必要だそうです。
今の時代の、生物種の絶滅は、ほとんど、人間の責任にあります。
特に、開発が大きな問題だそうです。
日本の海は、この何十年かで、
ほとんどの海岸を、コンクリートで固め、海の生物が卵を産める場所をなくし、
いまや、国内に3,000個もあるダムで、川の生物を苦しめています。
民主党の時代に、少し止まった開発事業も、
今の、自民党政権による、国土強靭化政策により、また逆戻りで、
このままいくと、さらに進みそうな勢いだということです。
トンネルが掘られ、速く移動できることは、たしかに便利だけれど、
長い目で見ると、
将来にわたる自然への悪影響の方が、大きいかもしれません。
今よりもっと便利なのも、いいけれど、
今、あたりまえのようにある、美しい自然も、大切にしたいなあと思います。
今、ぼくたちは、しっかりとしたバランス意識をもって、
できることに取り組んでいかなければいけない。
ぼくの大好きな、サティシュ・クマールさんの言葉は、ぼくに希望を与えてくれます。
「人の手で壊した自然は、人の手で取り戻すことができる。
自然と共生できるような、新しい街を、新しい暮らしを、デザインしていこう。
自然を壊してきた時代の次に、自然を取り戻していく時代を始めよう」
経済中心で動いている、国の政策を止めるのはむずかしい。
そこで、国際会議が役割を果たしているそうです。
1992年に行われた、地球環境サミットから、新しい動きが始まり、
今まで、政府が中心で行っていた会議に、
世界中から、いろいろな人が押し掛け、参加するようになったそうです。
黙っていられなくなった原住民の人たちや、女性グループ、10代20代の若者たち、
NGO、地方自治体、農民、科学者、企業、
国連がとりしきっている会議に、
多種多様な人たちが集まり、
各国の政府に、無視できない影響力を与えているそうです。
今年10月には、
国連の生物多様性会議(COP12)が、韓国で開催されるそうで、
認定を受けたNGOの会員であれば、参加できるそうなので、
ぼくも、せっかくのご縁を生かして、韓国に行ってみようと思っています。
何ができるかわからないけれど、新しい世界に踏み出してみたいと思います。
ラベル:サティシュ・クマール